はじめに
こちらの’離婚したはなし’では、私が実際に経験した離婚について
エッセイ風に書いています。お時間がありましたら、お付き合いください。
前回の記事はこちら
借金返済の決断と両親への報告
借金は二人で返済していこう、という事になりK夫と色々これからの事を決めました。
その中で一番家賃がもったいない、という話になり(家を買うなんてもってのほかでした)
K夫の実家に住まわせてもらうのが一番いいんじゃないか、という結論になりました。
K夫の実家は今住んでいる賃貸から5駅ほど離れたところにあり、2階建ての一軒家です。
K夫には弟が一人いましたが、もう家を出ており、使用していない部屋が二部屋あったのです。
ただ、それをするにはK夫が一番恐れている、‘借金両親バレ’ をしなければいけません。
私はK夫が本当のことを両親に話すのを、なぜここまで躊躇するのかが理解できませんでした。
もちろん全てを話したらいいというものでもないとは思いますが、
ここまで困っていて、相手の親にも迷惑をかけている状況です。
(私の母はすでにローンの保証人にされかけました。)
借金を作ったのはもちろん自分が原因であり、話せば責められる事は目に見えています。
でも、今はそんな事を言っている場合ではないのです。
K夫に何故早く言わないのか問いただしても、’いや、言うから…。’とか
‘今週は忙しくてじっくり話す時間がないから…。’
と何かしらやらない理由をつけて、話そうとしませんでした。
ここでもK夫の’嫌な事から逃げるクセ’が出ていたのです。
そして、K夫は自分の事を良く見せたい、失敗した自分を知られたくない、
何よりもこの願望が強かったのです。
借金返済と子供への思い
K夫はもともと子供好きで、友達の子供と一緒に遊んだりする程でした。
私も子供は好きで結婚したら2人は絶対に欲しい!と強く思っていました。
結婚したのが私が29歳の時だったので、そんなにのんびりもしていられないかな、と思っている時の借金発覚でした。(発覚時は30歳でした。)
引き続き子供が欲しいという思いはありました。
でも、どうしても借金の事が頭にチラつく。
何よりもそんな状況で子供をつくっても、安心して育てられる自信が自分にはありませんでした。
借金返済の目途も、二人の収入では5年ほどかかる見込みです。
そして、私が出した答えが
借金が完済出来るまでは子供はつくらない。
完済してからまだ子供が欲しいと思うんだったら、私と離婚して子供をつくれる相手を探して。
でした。
後から思えば、こんな自己犠牲は悲しすぎます。
自分が原因で出来た借金じゃないのに?
自分の願望を押し殺してまで、本当に助ける価値のある相手でしょうか?
この時の私は、とにかく自分で一度決めた事は覚悟を持って最後までやり抜く!
こんな性格だったのでこんな言葉が出たのかもしれません。
それを聞いたK夫は私の相当な覚悟が伝ったのか、自分の両親に話す事を決めました。
息子の借金を知った両親の反応は?
私の覚悟が伝わり両親に本当の事を話すと、腹をくくったK夫。
仕事終わりに実家に寄って、それぞれに話をしていました。(自分一人で行くというので、私はその時ついてはいきませんでした)
お義父さん、お義母さんの反応はそれぞれでした。
お義父さんは普段から穏やかな人で、不動産の営業マンという事もあってか、人を笑わせるような話をするのがうまい人でした。
K夫が言うには子供のころから今まで、怒られた事が一度もなかったそうです。
借金の話を聞くと驚いたようでしたが、まぁしょうがない、これからしっかり返済していけばいい。そんな感じでした。
’Nさんには申し訳ない事をした。でも、夫婦になったんだから支え合って頑張って行ってほしい。’
そんな内容のメールをもらいました。
お義母さんの方は、もともと陽気で明るい人ですが、たまにヒステリーになって怒る事もありました。
そして、息子と同じで大のお酒好きです。
借金の話を聞いた時は、激昂したようで、K夫はだいぶしぼられたようです。
その日はしょんぼりして帰ってきました。
お義母さんの方からもラインが届き、
‘本当に申し訳ない、自分の息子が迷惑をかけて恥ずかしい。本当にこの先はNさんの好きにしていいから。’
ときました。
これで、借金返済の為に同居させて欲しい、とお願いする舞台が整いました。
賃貸退去と新たな生活へのステップ
お義母さんの方は同居はすぐに賛成してくれました。
そもそもこちらから言わずとも、お義母さんから一緒に住んだら?と提案してきてくれたのです。
弟も出ていったので、寂しい思いをしていたのか、Nさんが来てくれたら娘が出来たみたいで嬉しい。とまで言ってくれました。
ただ問題はお義父さんの方で、少し考え方が古いところもあったので承諾してくれるかどうか心配でした。
平日の夜、仕事が終わった後2人でお願いしに行きました。
お義父さんはお義母さんから先に話を聞いていたようで、特に驚く様子もなく、うんうんと聞いてくれました。
そして話を聞き終わった後の、お義父さんの答えはこうでした。
状況が状況なので、断る事は出来ない。ただ、私ももう年なので、自分の生活スタイルを変えたり、そういった事は出来ない。
との事でした。
私はお義父さんの言っている事はよく分かりましたし、何より一緒に住む事を許してくれて安心しました。
こうして、今の賃貸を退去する日を決め、1ヶ月後に始まる義理の両親との同居に向けて、準備が始まりました。
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